■即時奪回を目指す相手をいなした久保
日本はほぼベストメンバーながら、多くの時間帯でボールを支配された。ただし、それは織り込み済みで、だからこそ、適宜発動されたカウンターが牙を剝いた。その中心となったのは、久保建英と堂安律。2人のアタッカーがボールを持ったとたん、スペインの選手は守備を敷かざるを得なかった。しかも、即時奪回を目指すスペイン代表の選手を久保はいなすこともできた。そして40分過ぎには、久保の突破から堂安の得点へとつながるのだ。
堂安に対してはマークが厳しく、ボールの収まりがいいとはいえなかった。それでも、久保と堂安は確実に違いを見せることができた。ホンジュラス戦でも、久保はアシストを、堂安は得点を決めている。五輪本番においても、一番の武器となるのがこの2人のコンビネーションだろう。
さらにもう一つ、武器となるのが旗手怜央だ。右サイドバックの酒井宏樹ばかりに目が行きがちだが、旗手の攻撃力も十分に通用した。細かくパスをつないで前線に攻め上がろうとした他、斜めのパスも出せる。クロスを上げ切るまではいかない場面もあったが、旗手のこの代表での活動時間を考えれば恐ろしいほどの順応性だ。
さらに、左サイドに三笘薫、ボランチに田中碧が入れば、さらにその連携を生かすことが可能だ。スペイン戦ではその一部しか披露されなかったものの、川崎トリオによる連携も五輪のピッチで大いに武器となる。