■「腹八分」でシーズンイン
現在降格圏に沈む仙台にとって、過密日程から解放されたこの2週間は恵みの期間だ。2020年シーズンに壊れた組織を、8年ぶりに復帰した指揮官は一つ一つ改善してきた。こうしたまとまった時間に、さらに積み上げができる。この1戦では、それを示すことができた。
後半戦に向けて、この試合から逆襲のポイントが3つ感じられた。
まず1つ目は、「攻守の構築」だ。この試合で仙台は、浦和の緻密なビルドアップに対する守備を用意した。前線からのプレスが特に序盤はハマり、GK西川周作から始まる攻撃構築を阻止。さらに、構えれば浦和の守備陣が縦にパスを付けれないポジショニングも取った。それでも浦和は、ユンカーが一度下がって縦パスを受ける場面からチャンスを作られたが、結果は無失点。
ポーランド人GKの好セーブもあったが、シュートコースをなるべく限定させた最終ラインの助けもあったからこその無失点だった。好調な浦和に対して見せた粘り強さは、後半戦に向けてプラス材料となる。
2つ目のポイントは、外国人選手の活躍だ。今季開幕に向けて仙台は、指揮官が「腹8分」と評価した補強具合でシーズンイン。開幕後に外国籍選手を3人獲得したが、コロナ禍で合流が遅れたことも影響し、直接チームに貢献したとは言い難かった。