■起爆剤となる3人の選手
しかし、フェリペ・カルドーゾはこの試合でコンディションが上がっていることを8000人超えのサポーターを前に証明してみせた。浦和の屈強な守備陣に対し、そのフィジカルで圧倒。前線でタメと突破を見せると、それに引っ張られるように中盤でスペースや時間が生まれた。司令塔の松下佳貴はうまくボールを散らしたり縦に送り込むことに成功したが、ここにもブラジル人ストライカーの影響があったはずだ。
そして終盤にサイドを幾度となく切り裂いたエマヌエル・オッティも、存在感抜群だった。縦に突破するだけでなく、内に入るクイックネスも持ち合わせるガーナ人ドリブラーは、ファールを繰り返しもらってはスタジアムを盛り上げた。ドリブラーにありがちな球離れの悪さもなく、一度出して受けることを体で理解している。
鹿島戦で出場するや好セーブを連発したストイシッチも含め、新加入選手がもたらすものは大きいだけに、後半戦へ大きな起爆材となる。
こうしたプラス材料がありながら勝てなかったのが、3つ目のポイントである「勝負強さ」だ。ここまでの仙台は、惜しい試合を何度も体感してきた。この試合、それが顕著に表れたのが後半のある場面だった。