■中盤での共存で考えられる「いくつかの形」

 浦和は、シーズン途中で獲得したデンマーク代表FWキャスパー・ユンカーが柏戦の前まで公式戦10試合10得点とゴール量産体制に入る活躍ぶりで、さらに日本代表DF酒井宏樹、デンマーク人のDFアレクサンダー・ショルツの獲得が決まるなど積極的な補強を進めている。シーズン前に移籍してきた西大伍小泉佳穂明本考浩もチームの中心として活躍するなど、赤い悪魔の“新章”を見せようとしている。

 そんな中で江坂を獲得するのは、前線での司令塔を小泉に依存していることが要因としてある。連戦を戦ううえで、小泉を毎試合出すわけにいかないが、この試合も、18番が途中出場した61分を境にボール保持に大きな変化が見られたように、その存在感は増すばかりだ。

 司令塔としてチームをコントロールできるだけでなく、自ら局面を打開してチャンスをも作れる江坂は、小泉の代役ではない。むしろ小泉のポジションを脅かす存在だ。とはいえ、魅力的なのは小泉との共存のほうだろう。2人が高い位置で絡めば、最前線に構えるユンカーへいい形でチャンスをつなぐ回数は増える。また、小泉がやや下がってビルドアップを助け、江坂が前のほうでチャンスを構築するという縦関係も面白い。さまざまな形で浦和の攻撃力をアップさせる起爆剤となるはずだ。

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