■9月5日/JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝 第2戦 川崎フロンターレ3-3浦和レッズ(等々力競技場)
久々の等々力競技場に現れたものは、残酷な結末だった。
勝てば準決勝進出という試合で、スコアを3-1と2点差にしたのが83分のことだった。試合終了まで残り7分。スタジアムに集まった4900人以上のサポーターはもちろん、ピッチの上の選手たちも勝利を確信したはずだ。しかし、試合終了のホイッスルを聞いた瞬間には、スコアは3-3のイーブンとなっていた。終わってみれば、アウェイゴールの差で準決勝に進出したのは浦和レッズで、等々力競技場を満たしていたのは重苦しい空気だった。
国内最強を誇りながら敗退した川崎と、大逆転を成し遂げた浦和の、明暗を分けたものはいったい何だったのか。
そもそも、試合開始前の時点で川崎は不安要素を抱えていた。それは、相次ぐ負傷者だ。今夏、海外に移籍した三笘薫と田中碧の穴埋めが必至という状況で、MF大島僚太、DF谷口彰悟、FW旗手怜央が戦線離脱。その状況で迎えたルヴァン杯準々決勝第1戦で、ジェジエウと車屋紳太郎が負傷交代してしまった。その試合で、登里享平がセンターバックを務める緊急事態を迎えており、この試合では誰がディフェンスラインの中央に入るか注目されていた。さらに、不動の右サイドバック・山根視来が日本代表に招集されており、川崎の最終ラインは大幅な入れ替えを余儀なくされていた。