■冨安の成長を見てきた山形氏が「見据える夢」
――将来的には1部で、と考えているのでしょうか?
「そうですね。そのためにもまずは2部でしっかり戦えるクラブにして、一気に抜けられるような力をつけていきたいです」
――来季は所属する2人の日本人選手、小野原選手、小枇選手はどうなりますか?
「2人とも契約はまだ残っているのですが、レンタル等も含めこれから話し合うことになります。また、新たにひとり日本人選手を獲得する計画があります。
さらに、Jのクラブからレンタルで選手を預かるというのはあるかもしれません。Jクラブの中には、18~21歳くらいのなかなか出番がない若手選手に海外のクラブで経験を積ませたいという意向があるところもあります。
昨年もいくつか話をいただいたのですが、ポルトガルリーグは2部といえどもレベルは低くない。私は、来るからには試合に出ないと意味がないと考えていました。出られるかどうか微妙なラインの選手に来てもらっても得るものが少ないのではと。ただ、来季は3部なので積極的に受け入れやすい環境にはなると思いますね」
サッカー日本代表の主力、冨安、 遠藤 、鎌田が巣立ち、 今年も鈴木優磨がシーズン17得点という大爆発を見せたクラブ、シント=トロイデンVVの買収と経営に携わった山形氏が、ポルトガル3部から見据える夢――。
「将来的には、クラブが1部、ヨーロッパリーグ、そしてチャンピオンズリーグへと行ければ、という目標は持っています。トークンを購入していただいた方には、そんなクラブを初期の段階から応援していた、と言ってもらえるようになればいいなと思っています。
将来、ずっと応援してくれた方々が、“来週、ついにバルサ戦だね”などと話して、集まってその試合を観る、そしてそこで日本人選手が活躍する、そういう未来が訪れるように頑張っていきたいです」
■山形伸之 やまがた・のぶゆき■ 1970年東京生まれ。2017年、DMMによるシント=トロイデンVVの買収と経営に参画。クラブ買収時には現地に飛び、元オーナーと直接交渉にあたる。2019年12月から日本企業、株式会社ナッツアンドアバウトが買収したポルトガル2部のUDオリヴェイレンセ社長に就任した。