■3トップの構成は3月の仙台戦以来2回目
そんな中で前節からガラっと変えたのが3トップだった。レアンドロ・ダミアン、家長昭博、三笘薫の3人から、小林悠、長谷川竜也、遠野大弥という構成で挑んだのだ。左ウイングに長谷川、右ウイングに遠野、中央に小林が入った。しかし、両ウイングにボールが入ると、そこからチャンスにつなげることがこの試合では容易ではなかった。
長谷川は三笘と同じくドリブルを得意とするが、両者のドリブルは異なる。三笘がヌルヌルとしたドリブルで縦にも横にも動くのに対して、長谷川はスピードに乗って縦に行くのを得意とする。縦に行く分、味方の攻め上がりも必要とするが、この日はうまく合わなかった。
また、遠野は選手間でボールを受けて出すのを得意とする。前への意識もある。ただ、家長のような力強いキープを見せることはさすがにできない。ウイングで時間を作ることができないことが、チーム全体をゆっくりと前に押し出すことができなかったことにつながった。前半終盤で押し込んだ時間帯も、そこから最後まで崩し切ることが容易ではなかった。
この3トップが組むのは、これが2度目だ。前回は、3月6日のアウェイ仙台戦だ。小林の2得点、遠野の1得点を含む5得点を仙台から奪って完勝した。しかし、鬼木達監督はこの3トップをその後、試すことはなかった。この時の仙台は監督交代から間もなく、攻守の整備ができていなかったことを考慮していたのかもしれない。