「賢人」グアルディオラの実像(2)「リアリスト」に傾いたイタリアでの日々の画像
ペップ・グアルディオラ 撮影/渡辺航滋

 現在、世界最高の監督と言っていいだろう。

 ジョゼップ・グアルディオラ監督の率いるマンチェスター・シティが、チャンピオンズリーグ決勝を戦う。グアルディオラ監督にとっては、バルセロナで優勝した2010-11シーズン以来、10年ぶりのファイナルになる。

 その圧倒的強さと美しさを備えたバルサをつくり上げたため、「賢者」とも称される名将。だが、実像はそのイメージだけに集約されるものではない。

■ペップを磨き上げたバルサ以外での時間

 バルセロナでの栄光は輝かしいものだった。しかしグアルディオラは「結果至上主義者」とさえ言えるほどの側面も持つ。彼ほど、結果にこだわる指揮官はいない。プロの監督である以上、勝利を得られなければクビを切られるからだ。ビッグクラブやメガクラブであるほど、その傾向は強くなる。その点に非常に自覚的であるのが、グアルディオラという監督だ。

 ゆえに、時として守備的な戦いを厭わない。そこには、バルセロナでの日々よりも、他の場所での経験が大きく影響している。そう、グアルディオラという監督を紐解く時、選手時代を無視することはできない。

 バルセロナでは、6度のリーガ制覇に貢献した。当時、クラブ史上最多リーガ優勝経験選手となった。その後、グアルディオラはバルセロナを退団している。

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