■トゥヘル初陣を彷彿とさせる決勝点
試合が振り出しに戻った時点から、互いにカードを切り当って勝ち点3を取りに行ったが、勝利の女神がほほ笑んだのは、より自分たちの形を崩さなかったチェルシーだった。痛み分けが見えてきたアディショナルタイム、右サイドのスペースへボールを呼び込んだのは、労をいとわず走り続けていたヴェルナーだった。ゴール右からの折り返しに走り込んでいたのは、トゥヘルの下で出番を取り戻していたマルコス・アロンソ。逆サイドでの展開と相手DFの位置を注意深く観察していた左ウィングバックが、劇的な逆転ゴールを蹴り込んだ。
今回は、チェルシーが笑った。だが、アンドレアス・クリステンセンが負傷退場するアクシデントもあった。選手起用に、さらに頭を使うこととなった。
先制直後にシティが奪ったPKをセルヒオ・アグエロが決めていれば、また流れは変わっていたかもしれない。それでもグアルディオラは、パネンカを失敗したアグエロを責めることはしなかった。この日の戴冠はならなかったが、翌日の2位マンチェスター・ユナイテッドの結果次第では、タイトルが転がり込んでくる可能性がある。とにかく、最後に笑えばいい。賢人の目はCL決勝、あるいはもっと先を見つめているのかもしれない。
シティが今季残す公式戦は、あと4試合。一方でチェルシーが5試合であるのは、FAカップ決勝を挟むからだ。チームマネジメントなどピッチ内外で、CLファイナリストたちの複雑で、熱い戦いが続く。
■結果 マンチェスター・シティ 1-2 チェルシー
■得点
44分 ラヒーム・スターリング(マンC)
63分 ハキム・ジエシュ(チェルシー)
90+2分 セサル・アスピリクエタ(チェルシー)