■中位に低迷の長崎が監督交代を決断
今シーズン3チーム目の決断は、長崎が下した。第11節までを消化した5月3日、監督交代を発表したのである。これまで指揮を執っていた吉田孝行監督はアシスタントコーチとなり、松田浩アカデミーダイレクターの監督就任が発表されたのだ。
吉田監督指揮下の長崎は、4勝2分5敗で11位に低迷していた。3位でフィニッシュした昨シーズンの戦力がほぼそのまま残っているだけに、結果に対してシビアな視線が向けられるのは避けられなかったと言える。
松田新監督は日本リーグ時代のマツダでキャリアを重ね、そのままサンフレッチェ広島でJリーグ開幕を迎え、ヴィッセル神戸でもプレーした。長身でキック力のあるCBとして活躍し、94年の広島ではシリーズ優勝を経験している。
引退後は神戸と福岡で監督を務め、09年から13年まで5シーズンにわたって栃木SCを率いた。通算成績はJ1で34勝26分40敗、J2では134勝86分125敗で、05年に福岡を、06年に神戸を、J2からJ1へ昇格させている。
実に8シーズンぶりとなる現場復帰だが、松田監督は長崎県長崎市出身だ。地域ロイヤリティの高い人材としても期待されている。
新監督はすでにトレーニングに携わっているが、5日の第12節は佐藤一樹ヘッドコーチが陣頭指揮を執った。前節から中2日の一戦ということもあり、メンバーとシステムに大きな変更はなかった。
ブラウブリッツ秋田をホームに迎えた一戦は、相手のストロングポイントに苦しめられることになる。長崎陣内でのロングスローやCKはもちろん、自陣でのFKもゴール前へ蹴り込んでくる秋田の攻めを浴びるが、34分に「個」の力が炸裂した。左サイドのルアンからのクロスを、エジガル・ジュニオがヘディングシュートへ結びつけたのだ。ゴール前には秋田のDFが3人構えていたが、長崎のブラジル人ホットラインのクオリティが優った。