■長崎の「無失点」か秋田の「得点」か

 後半はふたつのデータのぶつかり合いとなった。

 ここまで11試合を終えて、長崎はクリーンシートがひとつもない。一方、秋田は後半の得点がない。長崎が今シーズン初の無失点で勝利をつかめるか、それとも秋田が後半に得点をあげて同点に、逆転に持ち込めるか。

 長崎が1点リードしたまま迎えた77分、試合が動く。秋田が動かした。センターライン付近からのFKをゴール前へ供給すると、センターバックの谷奥健四郎が空中戦に競り勝つ。ファーサイドかから中央へ折り返されたボールを、途中出場の武颯が右足ボレーで突き刺した。今シーズンから秋田に加入した25歳の武は、J2初得点となった。

 85分にも得点が生まれる。今度も秋田があげた。普光院誠の右CKを、谷奥が身体で押し込んだ。得意のセットプレー2発で、秋田が逆転に成功した。

 長崎の佐藤ヘッドコーチはすぐに反応する。空中戦に強い都倉賢ら3人を相次いで投入するが、決定機を作り出せない。長崎は1対2で敗れたのだった。

 これで長崎は、開幕から12試合連続で失点を喫している。J2で唯一クリーンシートを記録していないチームとなっており、松田新監督は守備の立て直しに急がなければならない。

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