◼︎執念で決めた古巣への“恩返し弾”

 浦和は後半になると、杉本に代えて、MF伊藤敦樹を投入した。4-4-2のシステムから4-2-3-1に変更した浦和だったが、5バックを敷く相手に対し、なかなかその牙城を崩すことができない。それでも、試合の中で修正を図り、浦和がチャンスを演出していく。

 同点に追いついたのは、後半30分だった。FKの流れから、MF小泉佳穂がボールを拾うと、相手のペナルティエリア手前から、ゴール前のスペースに送る。すると、右サイドを走り込んできた槙野が角度のないところから、倒れ込みながらもゴール左隅へと押し込んだ。

 続く後半37分、今度はMF明本考浩が左サイドを駆け上がると、グラウンダーのパスを供給。ゴール前で小泉が受けるものの、シュートまで持ち込めず、右サイドへ流す。これを押し込んだのは、途中出場のFW田中達也だった。

 田中は、0-5で大敗した第6節の川崎戦以降、ベンチ外が続いていた。それでも、4月21日に行われたカップ戦・横浜FC戦では先発に入り、杉本の2点目のゴールをアシストし、逆転に成功した。今節では移籍後初ゴール。古巣の大分への“恩返し“で、起用に応えてみせた。

 試合終盤は大分に押し込まれる時間が続くものの、GK西川周作が好セーブを連発し、試合は3-2で終了。撃ち合いを制した浦和は、公式戦ではカップ戦・横浜FC戦から2連勝。リーグ戦の順位も8位へ浮上した。

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