■【質の高い試合とは?】「サッカーを衰退させる」危険性も

 15チームが固定されることで、ビッグクラブ同士の試合だけが毎年必ず行われる。そこでは世界最高レベルのスター選手同士による最高品質の試合が行われ、見ている人のサッカーへの情熱を燃え上がらせる。というのがスーパーリーグ側の考え方だ。

 たしかに、魅力的ではある。格差のある試合が行われるチャンピオンズリーグのグループステージに対し、毎試合必ずビッグマッチが行われるスーパーリーグは魅力的なものに思われる。

 しかし、質の高い試合、というのはスター選手同士の戦いでなければ生まれないものなのだろうか?

 記憶に新しいところでは今シーズンのチャンピオンズリーグでレアルと戦ったアタランタが思い浮かぶ。1stレグ、オールコートのマンツーマン戦術で戦うアタランタを相手に、レアルはイスコを偽9番として配置し、プロビンチャの工夫を逆手にとって退場を誘発した。しかし、そこからアタランタはゾーンディフェンスに切り替えて必死に耐えてみせた。最後にはフェルラン・メンディのスーパーゴールで惜しくも敗れたアタランタだったが、あの試合は質が高くなかったのだろうか。

 たしかに、チャンピオンズリーグのグループステージは力の差が明らかな試合が多い。しかし、そこで足を掬われて敗退するビッグクラブの姿が毎年のようにあることも事実だ。質の高い試合を提供する、と言えば聞こえは良いが、出場権を確保する必要があり、思わぬ敗退によってチームの価値が下がるリスクのある競争から逃げた、とも見える。

 そこを考えていくと「サッカーを衰退させる」という反対理由が見えてくる。

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