【明治安田J1リーグ 第10節 名古屋グランパスvsサガン鳥栖 2021年4月18日 15:03キックオフ】
名古屋グランパスが、ついに今季初黒星を喫した。しかも、今季初の複数失点。難攻不落のチームを攻略したのは、サガン鳥栖の「徹底」だった。
圧力をかけるために前に出た選手が、これほどまでに後ろを振り返るチームは他にない。普通ならば、ボールホルダーだけを見て間合いを詰めていくものだが、鳥栖のプレスは相手がパスを出そうとする選手との間のラインをなぞるように追い込んでいく。
中央へとボールを入れさせず、サイドに出たボールには、3バックの一角が詰めていく。中央に戻せば3人、4人で囲い込むこともしばしばだった。鳥栖の選手の足が止まることはなく、おそらく頭の中もフル回転していたはずだ。
最終的に決勝点となるゴールにつながるFKを奪った場面でも、鳥栖の前線からの追い込みが効いていた。ボールを持った長澤和輝の前には、精力的に守備をする酒井宣福と林大地の2トップが構えていた。パスを出すかに見えた方向に向かって酒井が動いた瞬間、プレーに迷った長澤の足からボールが離れる。そのミスを逃さずに林が一気に詰め寄ってボールを奪うと、手を使って倒した長澤にイエローカードが提示された。