■熱さと冷静さを兼ね備えた久保選手

 U-24代表は、アルゼンチンとの1戦目と2戦目で、大きく先発を変えていた。GKも代えた2戦目でも先発に名を連ね続けたのが、その試合でキャプテンマークを巻いて2得点を挙げた板倉滉と、1戦目でフル出場していた久保だった。

 南野と同じく、久保はこの冬に期限付き移籍でクラブを変えている。ただし久保は出場時間を十分に得られているとは言い難い。ラレア氏は、久保の試合への飢えと意欲と同時に、一方で自己中心的にならない冷静さも感じていた。

「久保選手は試合に出たい意欲を、ドリブル突破を随所に見せながら、非常に多くを生み出すプレーにつなげていました。もしかしたら、ドリブルをしすぎていると言われるかもしれませんが、彼自身は単に突破するのではなく、ボールを持つことで相手DFが寄せてくることをすごく理解しながらプレーしています。相手を引きつけることでフリーになった味方を使うプレーも見せていました。個人主義の選手ではない一方で、個人能力での状況打開もうまく織り交ぜながら試合をしていました。だから、アルゼンチンにとっても非常に怖い選手だったと思います」

 ともにヨーロッパのビッグクラブに招かれ、世界も注目する2人のタレント。彼らが今後の日本代表を背負っていくことは間違いない。

Alex Larrea

スペイン、サンセバスチャン出身.元スペインサッカー協会会長の父、U-21スペイン代表で現在レアル・ソシエダ育成部長の兄など、エリートぞろいのサッカー一家で育つ。自身もカナダでプロとしてプレーした後、一度は会社員となるも、再び指導者としてサッカーの世界へ。ヨーロッパ最高位の指導資格であるUEFAプロライセンスを取得し、現在は日本でDV7サッカーアカデミーのディレクターコーチを務める。

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