２０２１年は、日本代表にとって大事な１年となる。夏には自国開催の東京五輪で、１９６８年メキシコオリンピック以来となるメダル獲得を目指す。ワールドカップ（Ｗ杯）予選も始まり、来年の本大会へと向けて日本代表の強化も加速していく。
ヨーロッパ最高位の指導者ライセンスであるＵＥＦＡプロを持つアレックス・ラレア氏は現在、元スペイン代表ダビド・ビジャらが生み出したメソッドを日本の子どもたちに伝えている。韓国戦を現地観戦したラレア氏に、チーム・個人のパフォーマンス分析の専門家としての観点から、ついに動き出したＵ－２４日本代表とフル代表の現状、そして未来を語ってもらった。（通訳/神蔵勇太）
日本代表３月下旬の試合結果
３月２５日（日産スタジアム） 日本代表ＶＳ韓国代表 ３対０ （得点者） 山根視来 鎌田大地 遠藤航
３月２６日（東京スタジアム） Ｕ２４日本代表ＶＳアルゼンチン代表 ０対１
３月２９日（北九州スタジアム） Ｕ２４日本代表ＶＳアルゼンチン代表 ３対０ （得点者）林大地 板倉滉 板倉滉
３月３０日（フクダ電子アリーナ） 日本代表ＶＳモンゴル代表 １４対０ （得点者） 南野拓実 大迫勇也 鎌田大地 守田英正 オウンゴール 大迫勇也 稲垣祥 伊東純也 古橋亨梧 伊東純也 古橋亨梧 浅野拓磨 大迫勇也 稲垣祥
■遠藤選手は素晴らしかった
ラレア氏は韓国戦で強い印象を受けた選手として、遠藤航と江坂任の名前を挙げた。一方で、意外性を見出した選手もいる。
「南野拓実選手には、驚いたことがあります。彼が所属しているクラブや、ヨーロッパで築いてきたキャリアを考えれば、もっとボールを要求して中心選手らしく振る舞ったり、自分で物事を解決するプレーをするのかと思っていました。しかし、韓国戦では黒子に徹すると言ってもいいようなプレーを見せていました。“チームのため”というプレーが非常に多いと感じました」
２０２０年１月のリバプールへの移籍は、日本中が驚き、興奮した。現在はサウサンプトンにローン移籍しているが、世界最高峰のプレミアリーグでプレーしていること自体が南野の能力の高さを物語る。今回も、日本代表の背番号１０を託された。その主役がエゴを出さずにプレーする姿に、ラレア氏は感銘を受けたのだという。
「自分にボールが入ればもちろんクオリティを発揮することができますが、自身のベクトルが自分ではなくチームに向いている選手だということがよくわかりました」
ラレア氏が同じ感想を持った選手が、Ｕ－２４代表にもいた。南野に負けないほどの注目を浴びる久保建英である。
