■もう少し無茶をするべきだった
82分、前田がドリブルで右サイドを抉ってペナルティエリアに侵入しようとして倒されてフリーキックを得た場面は、終盤戦に突入していよいよ強引さを出した名古屋に湘南がじりじりと追い詰められていく展開を予感させたが、なぜかそういう攻撃はそれきりだった。
85分に長澤和輝に代わって木本恭生が投入された時には、いよいよターゲットを増やしてパワープレーに出るのかと思われたが、これもそうはならなかった。
1人多い名古屋は、湘南が完全に耐えるモードになっている状況を考慮しても多少無理をして大丈夫だったはずだが、最後までリスクを冒すことなくスコアレスドローという結果を手にした。
7試合連続無失点、というJ1記録に並んだのはそういう積み重ねによるものだが、優勝を狙うチームであるのならば強引に勝ちを奪いに行く姿勢を見たかった。
負けないことも大切だが、川崎フロンターレを追うチャレンジャーとしては、勝てるチャンスを逸しないことがより大切だろう。