【明治安田J1リーグ 第8節 湘南ベルマーレvs名古屋グランパス 2021年4月7日 19:03キックオフ】
レッドカードは数的不利に陥った自チームだけでなく、相手チームを苦しめることもある。
43分に三幸秀稔が退場となると、10人になった湘南は引いて守ることを選んだ。ボールを保持し続けることになった名古屋は大外からの攻撃を繰り返すが、圧倒する、という様子ではなかった。中央のスペースを埋められたことで、そうするしかなかった、という印象だった。
マテウス、相馬勇紀、齋藤学、前田直輝といった錚々たる顔ぶれのサイドアタッカーが湘南を崩そうと試みたが、得点は生まれなかった。
1人多いことで余裕を持ってボールを回せるようになった名古屋だったが、その分リスクを冒すことがなくなってしまった。
11人同士の時は柿谷曜一朗が中央でボールを受けたり、マテウスが絞ってシュートを放ったりと、湘南守備陣を揺さぶってゴールに迫っていたが、数的優位に立ってからはサイドに回してクロスを入れるだけになってしまった。
中央のスペースを埋めている湘南に対し、名古屋が入れるクロスの多くは山﨑凌吾をその埋まったスペースの上の部分で勝負させようとする高いボールになった。しかし、ターゲットが1人だけでは体を張ることができる山﨑であっても困難なミッションだった。多くのボールはハイボールの処理が盤石なものになっている谷晃生の手に収まり、残りのいくつかは大野和成によって阻止された。
その攻撃が成功する気配のない名古屋は低くて速いボールも入れたが、湘南の選手たちは体を投げ出してことごとく対応してみせた。