3月３０日のW杯２次予選、日本代表対モンゴル戦は１４対０という華々しいフィナーレとなった。その前日の３月２９日には、U２４日本代表がアルゼンチンを相手に３対０という完勝劇で、２６日の０対１という敗戦のリベンジを果たした。３月の代表ウィークでのフル代表２試合、五輪代表２試合の計４試合は日本に何をもたらしたのかーー。サッカージャーナリストの大住良之と後藤健生ががっぷり四つに語り合う！
■「落ち着いてるし、当たり前のことが当たり前にできる」
―３月２９日のアルゼンチン戦、４２分には相馬勇紀に代わって三笘薫が出場。三笘も気合が入っているな、と感じましたが。
後藤「まぁ、あの時間じゃ何もできない」
大住「要するに、第１戦に出て第２戦に出ていなかった選手の冷や汗度はすごかったんじゃないかな。すごいなと思いながら、冷や汗をドッとかいていたと思う。本当に２９日で１番驚いたのは、第１戦であれだけやられて、その反省や学習の上で、同じ選手で第２戦に臨むのは分かるんだけど。第１戦に出ていなかった選手たちが、いきなり学習を発揮して、ああいう試合をしてしまったんで、本当にオリンピック代表が混沌としてしまったよね。
明らかに、誰が見ても第１戦がベストチームなんだよ、これまでの実績や選手の名前から言えば。もちろん田中碧は出ていなかったけど。そのチームが何もできずに、それ以外の選手があれだけやっちゃったら、どうすんのって」
後藤「だけど今度は、第１戦の選手が学習をして、そして田中がいる時に三笘が出ていれば、もしかしたら三笘はドリブルで抜きまくったかもしれない」
大住「そう思う。けどそれを証明する時間が、５分ぐらいじゃちょっとね」
大住「それよりも、左サイドに中野伸哉が出てきたでしょ？ ちょっとしかプレーはできなかったけど、なかなかだった。期待が持てるね」
―どこが良かったですか？
大住「落ち着いているし、当たり前のことが当たり前にできる」
―１７歳の選手が、そんなに落ち着いてプレーをしている。
大住「去年から試合には出ているからね。１回は突破して左足でクロスをあげさせたかったかな。あのクロスはきれいだから」
後藤「すごくシンプルなプレーをする選手だよね」
大住「それは頭がいいって言うことだね」
