■初めての右サイドバックに挑戦
つまり、山根にとっては川崎で初めて右サイドバックに挑戦した。それまでは、アタッカーだったが右センターバック。必要な能力を必要に応じて身に着けてきた。適応力が高いからこその、ポジション変遷だ。
「自分はうまい選手ではない」
昨年、山根は何度かこう口にした。たしかに、家長や中村憲剛といった選手をともにプレーすればそう表現したくなるのも分かるが、山根は間違いなく技術は持っている。そして、センスも持っている。それでも27歳まで代表に呼ばれなかったのは、4バックの右サイドバックというポジションに出会ったのが昨年だったこと、そして、川崎という攻撃センスを生かせるチームにめぐり合わせたのが昨年だったからだ。