■「真瀬、相手は3枚だからもっと行けるぞ!」
今年の試合では、選手が「フリー、フリー!」「後ろから来てるよ!」「はっきりプレーして!」「つなげるよ!」と常に声を出して、情報を共有しようとしていた。しかし昨年は、声を出す選手がとても限られていた。だから、66分に浜崎拓磨に代わって途中出場した兵藤慎剛が周りの選手に声を出していたのが、とても新鮮に見えた。
木山監督が、「実質3日間の準備の中でやった」と話し、後に「3-4-3はアウェー限定だと選手たちに伝えて2試合をやったので、長く続ける意志は持っていませんでしたし、この苦しい状況の中でなんとかアウェーの連戦を戦うために、人の回しも含めてあの形でやろうということを選手たちに伝えていたので、戻すことは既定路線」と説明したように、急な3バックで戸惑いもあったかもしれない。ただ、昨年は他の試合でも声を出す選手は少なかった。
手倉森監督自身も、ベンチからたびたび声を出した。
「真瀬、相手は3枚だからもっと行けるぞ!」
「もっと前に!」
同じ状況、同じピッチでも、チームの雰囲気は、驚くほど変わった。