■両指揮官の一致したコメント

 声だけではなく、チームの前への姿勢もより強くなった。昨年の仙台は、FC東京に対してチャンスを作ることがなかなかできず、勝利を感じさせる場面が少なかった。しかし今年は、すでに触れたように両指揮官の試合後のコメントからも、仙台が肉薄したことを感じさせる。

「ボックスに迫る攻撃はできたので、あとは仕留めるところの精度を高めなければいけない」(手倉森監督)

「少し危ない展開にもなったけど、最後にゴールを死守して勝ち切ったところは選手たちが頑張ってくれた」(長谷川健太監督)

 攻撃も守備も“単発”だった昨年から、チームとしてチャンスを作り、うかがおうとする姿勢や構築が強くなっているのだ。

■後半から”菅井化”した真瀬拓海

 組織としてだけでなく、個人としても野心が見えた。その代表が、真瀬拓海だ。昨年は45番を背負って先発したこの右ウイングは、今年は右ウイングバック、途中からは右サイドバックとして出場した。特に後半に入ってからペナルティエリアに侵入しようと試み、際どいシュートまで放ってみせた。

 真瀬は今季から背番号「25」を背負う。かつて、菅井直樹氏が背負った番号で、右サイドバックとは思えぬ神出鬼没のゴール前への侵入で得点を重ねた超攻撃的サイドバックの背番号だ。菅井氏を彷彿とさせる動きを、後半の真瀬はしてみせた。

 手倉森監督がベンチから真瀬に声を掛けたことから、中長期的な“企み”の可能性もある。その真偽は分からないが、今年の仙台はその場しのぎだけではない動きも感じさせる。

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