不甲斐ない45分だった。前半のうちに2点を決められたFC東京は、後半の猛反撃もなすすべなく鳥栖に1-2で敗戦。優勝を狙うはずのJ1リーグ戦で3連敗を喫してしまった。これで4勝3分4敗と星も五分。安定しない戦績となっている。
今季、ここまで安定しない要因の一つが守備だ。鳥栖戦も含めると、ここまで11戦して17得点18失点と得失点差はマイナス。守る力がなければ、FC東京のお得意のカウンターからのソリッドな攻撃に転じることはできない。FC東京の攻撃力が、守備力に裏支えされていることを忘れては、こうした成績になってしまうのだ。
それを裏付けるかのように、鳥栖戦の前半で一方的に攻め立てられた長谷川健太監督は、後半に2人の選手を入れ替えている。岡崎慎に替えて内田宅哉、渡辺剛に替えて青木拓矢を投入した。これに伴って、前半はボランチだった森重真人を本来のポジションであるセンターバックに戻している。2得点を追う場面で、前線の選手を入れ替えたわけでもなく、前線の枚数を多くしたわけでもない。守備的なポジションにテコ入れを図ったのだ。
後半は前半とは違った内容をピッチで繰り広げ、アウェイチームに猛攻を浴びせた。52分という早い時間帯に1点を返して1点差としたことも、チームを盛り上げた。しかし、結果的にはセットプレーによる森重の1点で、ピッチを支配しながらも流れの中からゴールを奪うことはできなかった。