■森重「自分たちにがっかりしている」
FC東京は今、岐路に立っている。各チームが有限の戦力に合わせて独自戦術を出しながら生き抜こうとしているJ1にあって、堅い守備と早い攻撃だけで白星を重ねるには限界がある。まして、昨年から室屋成、橋本拳人、原大智と選手が次々と海外移籍しており、チームの“軸”をどう維持するかにも悩まされている。
右サイドバックで穴を埋めたかに見えた中村帆高は負傷して戦線を離脱。本職は中村拓海のみという状況だが、中村拓は攻撃に特徴のある選手だ。守備を立て直したい状況で迎えた鳥栖戦で、長谷川監督は本職がセンターバックの岡崎慎を右サイドバックで起用したが、岡崎は前半で交代が告げられるような出来に終始した。後半に代わって入った内田のパフォーマンスによってチームが持ち直したことはやはり、守備の立て直しが攻撃に必要だというわけだ。
鳥栖戦後、森重は「自分たちにがっかりしている」と言葉を振り絞ったが、それほど東京は難しい状況に入ってしまっている。ACLを抱えた昨年ほどではないとはいえ、今季も過密日程に急き立てられており、抜本的な改革は難しい。
そんな中で、4月18日に元ブラジル代表DFブルーノ・ウヴィニがようやくチームに合流した。イングランド・トットナムやイタリア・ナポリでプレー経験がある元セレソンが守備陣立て直しの救世主になれるのか、注目したい。