■今季最小のシュート数
「そういうものを何度か食らっているうちに、(チーム全体が)少し下がってしまった」
指揮官がこう話したように、川崎は重心が下がってしまった。そのため、相手陣内のサイド深くまでうまくボールを運べてもサポートが少ない場面もあった。さらに、柏は川崎のサイド攻撃に人数をしっかりそろえたため、余計に攻撃での迫力を欠くことになってしまった。
この試合の前半45分間で川崎が放ったシュート数は3本。今季リーグ戦5試合では、最小のシュート数だ。横浜FM戦=11本、C大阪戦=6本、仙台戦=9本、徳島戦=11本と比べると、いかに少なかったが分かる。
■「いつも出ないようなミスが続いてボールを保持される時間が多かった」
苦戦した“証拠”は、シュート数だけでない。前半の川崎のパス本数は302本で、前節・徳島戦よりも2割も少ない。キックオフ時間を30分遅らせなければいけないほどの雷雨が試合直前まで襲ったピッチ状況も影響しているかもしれないし、連戦の影響もあったかもしれない。いずれにせよ、いつもの川崎とは違った姿を見せた。
「簡単なミスというか、いつも出ないようなミスが続いてボールを保持される時間が多かった」
車屋紳太郎が試合後にこう振り返ったように、今季、最も苦戦した45分となった。
そこで鬼木達監督は、ハーフタイムに3枚替えを敢行し、その打開を図ったのである。