■左右の攻撃の鮮明なコントラスト
開幕戦の先制ゴール(21分)は、右サイドで脇坂、田中、脇坂とつないでいる間に山根が深い位置まで走り込んで、脇坂からパスを受けた山根が落としたボールに家長が合わせたものだったし、43分の2点目も右サイドでレアンドロ・ダミアンとのワンツーで抜け出した田中のピンポイントクロスに家長が頭で合わせたゴールだった。
C大阪戦でも、右からの攻撃は威力を発揮した。大久保嘉人のゴールで先制された直後の7分、右サイドで脇坂と家長がパス交換している間に攻めあがった山根のクロスをレアンドロ・ダミアンがボレーで決めて同点とする。さらに、再び大久保に決められて1対2とリードされた後半開始早々、家長が深い位置まで持ち込んで戻したボールを受けた田中が、ゴールラインぎりぎりまで走り込んだ山根に強いボールを正確につけて、折り返しを再びレアンドロ・ダミアンが頭で決めたものだった。
つまり、右サイドでは家長、山根に脇坂や田中が加わってパスを回すことによって崩して正確なクロスを入れるという攻撃パターンは完成の域に達しているのだ。
一方、左サイドは三笘のドリブルを中心に、最近ではサイドバックの旗手が加わって、右サイドでのワンタッチパスの交換とは対照的に、縦に速い攻撃となる。
左サイドの攻撃が威力を発揮したのが、G大阪との富士ゼロックススーパーカップだった。29分の先制ゴールは、三笘からのパスを受けた田中がうまく反転して左サイドを突破して三笘に戻したものだった。
この試合、キックオフ直後は左のインサイドハーフに脇坂、右のインサイドハーフに田中という組み合わせだったが、前半の途中から左右が入れ替わったとたんに左サイドの攻撃が活性化して、先制ゴールにつながった。32分の2点目も左からの崩しから、G大阪がクリアしたボールを山根がシュート性のボールを入れて、三笘が決めたものだった。