■狙って撃てるものではないスーパーゴラッソ
この試合でセレッソが放ったシュートは9本。そのうち大久保嘉人が半分以上となる5本を放ったのだが、その5本は大久保の嗅覚に頼ったもので決してチームでデザインされたものではない。開始5分で奪った先制点は、まさしくスーパーゴラッソで、狙って撃てるものではない。
開幕戦の柏戦でも、セレッソが得点を奪ったのは柏DF上島拓巳が前半途中に退場してからのことで、それまでシュートを放つも得点を奪うことはできなかった。
「フロンターレさんは攻守において、長い間、積み重ねた土台がある。そういうことを考えると、攻守においてセレッソの現状の中で本当によく戦ってくれたと思います」
試合後にクルピ監督がこう話したように、チームが大きな路線変更を決断してから日は浅い。しかも、ベクトルがまったく違う路線変更なのだから、時間がかかることは承知のうえだろう。
日本気象協会によれば、大阪の桜の開花は3月22日を予想しているという。セレッソという桜はそれまでに芽吹かせることができるのか。早い段階で花びらを見せることができないと、ACLと並行して戦う今シーズン、チームは厳しいシーズンを送ることになるかもしれない。