■「立ち上がりからしっかり行くぞ!」
3バックにして中央の人数を増やしたことで、攻撃面で持ち味のある松下佳貴と上原力也の守備の負担を軽減する目的もあっただろう。また、ここ数試合の課題でもあった立ち上がりの失点を回避したい思惑もあっただろう。仙台は、慎重な形で試合序盤を進めたのだ。
第1節・広島戦は33分、第2節・川崎戦は12分と25分、第3節・鳥栖戦は5分、25分、39分、第4節・湘南戦は2分と、仙台は今季ここまでの試合で早い時間で失点してきた。“5バック”には、それを避ける狙いが間違いなくあった。
「立ち上がりからしっかり行くぞ!」
試合前に組んだ円陣の中で西村拓真が発した言葉は、選手誰もが胸に刻み付けた言葉だった。
準備していた通りに東京の攻撃をいなした仙台は、24分に待望の先制弾を奪う。上原の右CKにキャプテンマークを巻いた蜂須賀が頭で合わせ、青赤のサポーターの前でゴールネットを揺らしてみせたのだ。仙台にとって今季初めての先制弾は、チームに勇気をもたらすと思われた。