■１トップが果たす職責
また、小泉と明本については、Ｊ１のスピードにまだ慣れていない場面も見受けられた。明本は右サイドで走力を見せつけたものの、ＦＣ東京の最終ラインを前に何かを見せることはできなかった。また、１トップを採用するチームのトップ下には、つなぎの面だけでなく得点やＦＷのサポート、さらには１トップを追い越す動きも必要となるが、それらを満たす小泉のプレー回数は少なかった。
とはいえ、小泉にとっても明本にとってもこれがＪ１でのデビュー戦。他の獲得選手も含め、選手の成長や慣れはリカルド・レッズに大きな可能性をもたらすはずだ。
また、このチームは１トップと２列目の、双方の得点力が必要となる。杉本は前線でのフォア・ザ・チームの動きをしながら得点も重ねなければならず、その負担は大きい。ＶＡＲ判定で取り消しとなった試合開始直後の“幻のゴール”を、実際のゴールにしていくことが、過密日程のシーズンを通して求められるだろう。
次節はアウェイでサガン鳥栖と対戦する。公式戦初戦を終え、次戦までにどのような積み上げができるのか。期待を積んだ新生レッズが、ついに走り出した。
