■FC東京を上回った数々のスタッツ
2列目のサイドの選手と同サイドのSBの選手の立ち位置も整理され、ハーフレーンをうまく出入りしながら相手選手と相手選手の中間でボールを受ける。時には、大外のレーンとハーフレーンの選手でダイレクトパスを繰り返して白いユニフォームの複数の選手を置き去りにしてしまう。また、昨季は唯一といっていい打開策だったドリブルが、チーム戦術の中にうまく組み込まれていた。“いい守備から良い攻撃”というテーマだけで動くチームではなくなっていた。
ピッチで握った主導権は、得点以外の数字にも表れている。シュート数はFC東京の5本に対して11本。枠内シュートで見れば、相手の6倍となる6本。パス成功数は青赤チームの2倍近い400本以上を数え、CK数は9:1と圧倒。ボール支配率は59%。それでいて走行距離はFC東京の111.2㌔を2.8㌔上回る114.0㌔だったから、いかに浦和が効率よく、そして、目的を持ってプレーしていたかが分かる。
リカルド・レッズが開幕戦で見せたものは、サポーターに期待を抱かせるのに十分だった。ただし、課題がないわけではない。その課題の結果が得点数「1」であり、その解決へのアプローチも指揮官はイメージを持っている。