■注目選手(2) MF:川辺駿

 どういう戦い方になるとしても、川辺がフル稼働しない限り上位争いをすることは難しい。ジュビロ磐田から戻ってきてから3年が経ち、川辺はそう思えるほどの選手になっている。

 広島に復帰してからリーグ戦で出場しなかったのは2018年に1試合だけだ。磐田への武者修行で経験を積み、途中出場をしながら広島のスタイルに慣れ(2018年は途中出場が21試合)、レギュラーポジションを獲得(2019年は34試合全てに先発)、と理想的な流れで立場を確立し、替えの利かない選手にまでなった。

 その最大の魅力はインサイドハーフの位置から素早く前に出てくるプレーだ。相手がいないスペースに動き続けてボールを引き出すその存在は、ゲームのスピードをコントロールする青山と共に広島の心臓だ。

 昨年は運動量を守備に使うことで新たな貢献も見せた。フォーメーションに関わらず、今年も高い位置でのボール奪取を目指すことは継続される。川辺にかかる負担は大きいが、背番号8のリーダーとして広島を引っ張る。攻守に動き続ける心臓から目が離せない。

川辺駿選手 撮影/原壮史
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