■さらに攻撃が進化しそうな横浜F・マリノス/質の高さに個の力が加わったサンフレッチェ広島
横浜F・マリノスは、ACLに翻弄され、過密日程のなかで故障者も続出して苦しんだ昨季とはうって変わり、Jリーグだけに集中できるのが強みだ。エリキ、ジュニオール・サントスといったアタッカーたちが去ったのは痛手だが、エリキと同じようにサイドでのスピード突破を期待されるエウベルを補強、アンジェ・ポステコグルー監督の「攻撃に次ぐ攻撃」というサッカーはさらに進化するはずだ。守備ラインに能力の高い岩田智輝を補強できたのも、大きなプラス材料だ。これにオナイウ阿道の成長がからめば、タイトルを取り戻す可能性も十分ある。
しかし私が今季最も期待しているのがサンフレッチェ広島だ。昨年も城福浩監督の下、素晴らしいサッカーを見せていたのだが、選手層の薄さがたたり、過密日程のなかで埋没してしまった。しかし良いコンディションで試合ができれば、そのサッカーの質が「トップ5」にはいるのは間違いない。
そうしたなか、「優勝」の切り札になると思われるのがジュニオール・サントスだ。ブラジルで高い得点力をもった選手として注目され、2019年夏に柏に移籍したが、なかなか出番に恵まれず、昨年も1試合に交代出場しただけで、8月に横浜FMに期限付き移籍。しかしそこから22試合で13ゴールを挙げる活躍を見せた。横浜FMの超ハイテンポなサッカーにいきなりなじめた能力があるだけに、広島でも森島司、浅野雄也といった才能あふれるアタッカー陣と好コンビをつくるだろう。
このジュニオール・サントスが20ゴールを挙げて得点王になること、そしてその活躍で広島が優勝するというのが、私の「Jリーグ2021」の筋書きだ。