この「交代策」の説明をする前に、今季のG大阪について触れる必要がある。2021シーズンのガンバの課題は“攻撃の構築力”だ。昨季、リーグ戦2位、天皇杯準優勝、ルヴァンカップでベスト4という好結果でシーズンを終えることができたものの、その成績にしては寂しい得点数だった。“好結果”と“優勝”の間にあるものを埋めるために、ゲームを支配し、そして得点を奪うことの必要性をチームとして実感したのだった。

 そのために、前線の選手の補強に加えて着手したのが新システムの導入だった。2020シーズンは序盤こそ3バックと4バックを併用したものの、終盤には4-4-2で固定。負傷者を出しながらも、粘り強く戦い抜いて結果を手にした。

 しかし、今季はキャンプで4-3-3に挑戦。富士ゼロックス・スーパーカップで、非公開が続いたこのチームのベールがついにはがされた。この試合のスタメンは以下となる(名前の順は右→左)。

GK:東口順昭
DF:小野瀬康介三浦弦太菅沼駿哉藤春廣輝
MF:山本悠樹井手口陽介倉田秋
FW:矢島慎也パトリック、川﨑修平

 小野瀬を右サイドバックに、矢島を右ウイングに、川崎を左ウイングにした並びで、昨季のガンバからはまったく違った姿だった。昨季は、小野瀬の昨季の基本ポジションは右サイド、矢島はCMFで使われることが多かったため、見慣れない形に川崎は戸惑うかに思われた。
 しかし、ガンバは前半のうちに2失点してしまうのである。

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