■2月20日/FUJI XEROX SUPER CUP 2021 川崎フロンターレ―ガンバ大阪(埼玉)
試合後、昨季のJリーグ優秀監督の顔は、かなり疲れて見えた。90分終了のホイッスルが鳴ると、表情こそ変えなかったが、すぐにピッチに背を向けてベンチに沈んでしまった。
宮本恒靖監督は、あふれる悔しさを自身の中で必死に抑えようとしていたのだろう。それも無理はない。シャープな顔立ちを持つこの指揮官が昨年から川崎を相手に負けを喫したのは、これで4度目だったのだから。
しかも、この日は一時、同点に追いついた。“ついに勝てる!”と多くのサポーターが思ったように、指揮官の胸中にも期待が走ったはずだ。同点弾に喜ぶことなく、すぐさま次なる交代選手であるFWチアゴ・アウベスとFWレアンドロ・ペレイラの2人に指示を出していたのは、勝利を手繰り寄せようとする前のめりの気持ちに他ならない。
ただ、69分に行われたこの交代が一つのポイントになった。外国籍選手2人を投入した直後はその力強いプレーで川崎を慌てさせたが、同時に、それまで用意したシステムを放棄することになってしまったからだ。結果、徐々に川崎に主導権を奪い返されていく。そして、決勝点を許す。