■ロドリゲス監督(浦和レッズ)は可変システムでJ1に挑む

 ほかにも、今シーズンは気になる監督が何人かいる。

 最大の注目は浦和レッズの監督に就任したリカルド・ロドリゲスだ。こちらも、ロティーナと同じく、スペイン人監督である。

 2人の活躍によって、Jリーグではスペイン人指導者に注目が集まっており、徳島はロドリゲス監督の後任としてやはりスペイン人のダニエル・ポヤトス監督を招聘した。そういえば、フットサルのFリーグでもスペイン人指導者が仕事をしている。Fリーグの絶対王者的存在である名古屋オーシャンズはスペイン人のフアン・フランシスコ・フエンテス監督の下、2020/21シーズンの終盤を迎えた2月6日現在18勝0分1敗という圧倒的な成績を残して優勝を決めているし、ペスカドーラ町田も今シーズンから指揮を執るスペイン人のルイス・ベルナット監督の下、若手選手をうまく使って躍進し、2位争いを展開している。

 さて、ロドリゲス監督は徳島ヴォルティスを4年間指導して着実に順位を上げ、昨シーズンはついにJ2優勝を達成。満を持して日本有数のビッグクラブである浦和レッズに加わった。

 昨シーズンの徳島は、単にJ2優勝を遂げたという「結果」だけでなく、可変システムを使ったモダン・スタイルのサッカーで注目を集めた。3バックと4バックを併用し、攻撃時にはサイドバックが最前線に位置を取るなど、流動的なポジションチェンジが実に効果的だった。J1という最高の舞台でも、ぜひ、そうした近代的なサッカーを実現してもらいたいものだ。

 もう一人、注目の監督が京都サンガFCを率いることになったチョウ・キジェ監督だ。8年間にわたって監督を務めた湘南ベルマーレ時代には、ボールを持ったら全員が積極的に攻撃に絡むダイナミックなサッカーと、いつも前向きでポジティブな独特のコメントが印象的な監督だった。毎年のように主力選手を引き抜かれながらも、すぐに新しい選手を使ってチームを再建する中で、現在はドイツ・ブンデスリーガのシュトゥットガルトで中心選手となっている遠藤航など代表クラスの選手を何人も育てたことも特筆すべきだ。

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