■態度の悪い乗客たち
上半身を起こすと、重心が高くなる。ただでさえ1人あたり17.5キロなどという重い荷物を持たなければならないタンカ要員たちは、少しでも選手が安全にと、少し腰を曲げ、タンカをできるだけ低くしようとする。しかし「荷物」の重心が高くなれば、非常に不安定になってしまうのだ。本来なら、しっかり寝かせ、上半身を起こさないようにベルトなどで縛り付けるのがいいのだが、「乗客」の選手が「正しい乗り方」さえわきまえていれば、そんなものは必要なくなる。
上半身を起こして、「たいしたことはない」とアピールしている選手。ひどいのになると、横向きにタンカに座って足を下ろしている選手もいる。こうした選手たちは、タッチラインの外に出ると、タンカから飛び起きてすぐにピッチにはいろうと「レフェリー、レフェリー!」と叫ぶのが常である。ふざけるな!と言いたい。骨折や靱帯の損傷など、大けがではないことは、誰よりも自分自身がわかるはずだ。痛いだけなら、ピッチに寝転んでいないで(ピッチはベッドではない)早く起きてプレーを止めないようにしろと、強く言いたいのである。
そしてタンカに乗るなら、きちんとした「マナー」、いや、「行儀作法」をわきまえて乗らなければならない。かっこうをつけて上半身を起こし、重心が上がって不安定になると、思わぬアクシデントの原因となり、選手が痛めた部位をさらに痛めるだけなら自業自得だが、ボランティアのタンカ要員をケガさせてしまう恐れもあるのだ。それがプロフェッショナルのやることか!
新しい年は、「正しいタンカの乗り方」で迎えたいものである。