■「選手をフィットさせていく手腕がすごい」
―後ろのほうはあまり変わっていませんが、前のほうはスタメンをどんどんと変えていった印象があります。
大住「そうね。どこかで読んだ覚えがあるんだけど、鬼木達監督が、再開されてから、交代を5人使うというアイデアをあまり持っていなかったらしいんだけど、なにかの試合で見て、こんなのもあるのかって思って、それで使ってみたら上手くいった、というのを言ってたような気がする。
とにかく、まるでアイスホッケーのように第1フォワード、第2フォワードみたいな感じで使い分けて、投入した時には破壊力が倍ぐらいになっているというのは、選手層というひと言で済まないような、質の高さを持っているんだよね。今まで、こんなにも質の落ちない第2フォワードを持っているチームってなかったよね?」
後藤「そうそう。コマがなければ、どんな名監督だって、そういう事をしようと思ってもできないわけだから。だけどそれを、高いお金をかけて他所から買って来たんじゃなくて、大学から良い選手を取ってきたというのもあるけど、本当に自分たちの中で育てた選手、あるいは、それほど有名な選手でなくてもチームにあっという間に上手くフィットさせていく、そのへんがすごい。
これがすごい金持ちがついていてさ、世界中のスターを集めていたのなら、どうかとは思うけど」
―“シルバーコレクター”と呼ばれた時代、そして風間八宏の時代。その次に来た大ブレイクですが。
後藤「やっぱりブレなかったわけだよね。風間八宏が来てしばらくは、本当に彼がやっていることが実を結ぶのかは、疑問があったわけじゃない?」
大住「あったあった」
後藤「でしょ」
大住「いやー、息子を2人連れてきた時にはどうなるかと思ったよね」
後藤「だけど、今から思うとですよ。あの息子2人というのは、チームに風間監督のサッカーを植え付けるためには、風間監督のことを一番理解している息子2人が、結構役に立ったのかなって思ったりもするんだよね。ほら、イビチャ・オシムが代表監督になった時に、ジェフユナイテッドの選手をいっぱい連れてきたじゃない?やっぱりオシムのやっていることを理解している選手が何人かいないと、上手くいかないと思ったわけだから」
―風間八宏さんは、来シーズンはセレッソで育成部門のトップに立つようですが。
後藤「彼は独特なものを持っているから、是非、成功してほしい」