選手層の厚さは、代表レベルの選手が何人いるかでも、外国人選手の数でも、出場試合数の多少で図るものではない。

 ピッチ上で何をすべきか分かっている選手がどれほどいるのか、そして、その選手がいつでも稼働できる状態にあること、さらに、選手がシーズン中に成長を続けることにあるのではと、今季の川崎は気づかせてくれた。

 Jリーグで監督経験のある人が、かつて本誌記者にこう話していたことがある。

「チームとしてやりたいことを理解してやってくれる選手が何人いるかで、チームのクオリティが変わる。頭で理解しても技術的にできない選手、技術的にはできるのに頭で理解してくれないからできない選手がいる。ピッチでの表現度合いでもその影響は出てくるし、理解させるために練習時間を多く割けば、他の練習ができないことにもなる」

 川崎の選手層の厚さは、選手とスタッフ全員で作り出したものなのだ。

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