しかし実際にリーグが始まってみれば、MF三笘薫が2ケタ得点を成し遂げ、FW旗手怜央が先発に名を連ねるなど、新人選手が大活躍した。開幕前の時点でここまでの活躍は予期できていなかったはずだ。むしろ、有能な新卒選手をシーズン中にここまで成長させた鬼木達監督らスタッフと、共にプレーする選手たちを賞賛するべきだ。
試合中に旗手や三笘にポジショニングやプレー面での“指導”をする川崎の主軸選手の姿を何度も見た。MF中村憲剛は、ケガによる長期離脱から復帰した第13節・清水戦で、自身の膝の不安もあったろうが、それでも後輩に細かく指導していた。他のチームでもこうした姿はないわけではないが、川崎の選手ほど深いわけではない。ピッチ上でのコミュニケーションの必要性はよく話題に挙がるが、ピッチ上での指導において、川崎は群を抜いている。
どんな選手が出ても、何をすればいいかはっきりしていることで、その能力を発揮できる。さらに、ピッチ上での指導によって、選手個々人がその都度改善して成長できる。