また、“選手層が厚い”と感じさせた要因の一つが、ケガ人の少なさだ。中村憲剛がシーズン前から離脱した以外には、FW小林悠とMF大島僚太、MF長谷川竜也のケースのみ。小林と大島は離脱期間が短かったため、影響をなんとか最小限に抑えることができた。この過密日程において、18人のメンバーが組めないチームも出てくる状況で、離脱者数3名はかなり少ない。
今季の川崎の1試合当たりの平均走行距離は109.578キロで、J1全チームで最下位。ただし、過密日程における疲労の蓄積から見ればこれはポジティブな要素で、ケガを遠ざけた要因の一つともみられる。また、鬼木監督は後半アタマからの複数枚交代を何度も行っており、やはり選手の負担の軽減につながっていた。
センターフォワードは小林悠とレアンドロ・ダミアン、それにプロ3年目の宮代大聖の3人で、センターバックは谷口彰悟、ジェジエウの不動の2人に対し、山村和也と左サイドバックも務める車屋紳太郎、プロ1年目の神谷凱士の3人が控えていた。シーズン前、“層の厚み”という意味では、やや不安視されていた。しかし、シーズン終盤の段階でこの2つのポジションでのケガ人は小林悠のみにとどまった。この小林の離脱期間も約1か月と、かなり最小限に抑えることができた。