J1第29節・G大阪戦で勝利したことで、2020年シーズンのJ1リーグを圧倒的な強さで優勝した川崎フロンターレ。同一リーグ連勝の新記録(延長は除く)となる12連勝に加え、さらに10連勝を記録するなど、無双ぶりを見せつけた。ここまでリーグの最多得点に最少失点と、数字の面でも申し分なく、史上最多勝ち点を得て新たな歴史を刻んだ。
そんな川崎に対して、各チームもただ手をこまねいていたわけではない。ここまで川崎は公式戦で3度の敗戦を経験したが、特に、ルヴァンカップ準決勝・FC東京戦とJ1第26節・札幌戦は、川崎対策が非常に効果的に表れた一戦となった。
FC東京と札幌は、川崎の攻撃を封じるうえで、まったく違うアプローチをとった。
まず、FC東京は、川崎の守備にあえて食いつきすぎない方法を採った。川崎は、相手選手が空けたスペースを利用してボールと人を前進させる。これは、見方を変えれば、そのスペースを空けなければ利用されることはないということになる。