他のチームでも、川崎の前プレスを利用し、その裏のスペースを使おうとしたことはある。優勝に王手をかけることになった第30節の対戦相手、横浜Mだ。横浜のGK+4バックに対し、川崎は3トップ。川崎のインサイドハーフ2人に対し、横浜のボランチは2人。つまり、横浜のサイドバックは余りやすい状況となる。そこをボールの出口として、攻撃につなげるという形だ。

 対戦相手によって、それぞれ独自の戦術で川崎に対抗しようとした。しかし、川崎はその都度、ピッチ上の選手や鬼木達監督のベンチワークによって、90分以内に各課題をクリアしてきた。

 そういう意味で川崎は、状況適応力と最適解を見つけるという、本当の強さを持っていたことになる。

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