２０２０年１１月１８日、「霧のオーストリア」、という単語で思い起こされることになりそうな、日本代表対メキシコ代表の国際親善試合。ＦＩＦＡランク１１位の強豪・メキシコとの一戦は、１０月のカメルーン戦とコートジボワール戦、１１月１３日のパナマ戦と続いてきた、一連の日本代表の集大成となった。
前半は見事な動きを見せた日本代表だったが、後半になって運動量が低下。６３分、６８分と立て続けに２点を失い、そのまま０－２で敗れた。
この試合での日本代表の課題、そして収穫。森保一日本代表監督が意図したことはなんだったのか。サッカージャーナリストの大住良之、後藤健生の２人が、早朝５時キックオフの試合終了直後、朝方８時から戦わせた「激論」の行方はーー。
―日本は前回、ベスト１６ですから、次はベスト８に行けますかね？
後藤「日本のサッカーは男女とも、あらゆるカテゴリーで決勝トーナメント１回戦まで行って、そこで皆やられているわけだからね。全部のカテゴリーで決勝トーナメントに行くっていうのは、とてつもないすごいことなんだけど、けどそこでやられちゃう」
大住「グループリーグではすごいなって感じさせるもんね」
後藤「そうそう。去年のアンダー１７のワールドカップも、グループリーグを見てすごいなって思っていいたら、あれもメキシコにやられちゃったよね」
大住「けど、あの時のアンダー１７の選手は、いまJリーグで頑張っているよ」
―ディフェンスの評価はどうですか？ 後ろのほうは個人名がまだ出てきていませんね、たとえば冨安や吉田の評価は？
大住「後半の２点目なんかは綺麗にやられちゃったけど、うーん……前半はシュートらしいシュートが無かったんだよね。突破されてのシュートが無かったから。うーん……」
後藤「前半の３０分過ぎくらいにカウンターを食らった時に、冨安がうまく遅らせて、皆を戻らせたシーンがあったし、悪くはなかったよね。だから、さっき言っていた押し込まれた時の判断、それをする役割は吉田なんだけど、そこができなかったなというところかな」
大住「後半はだいぶ減ったけど、センターバックからはけっこう良いボールが足元へ供給されていたよね。それでターンして、前向きになれるようなボール。それはすごく良いタイミングで出ていた。
ワンタッチであったり、それから揺さぶって出したり、吉田からも冨安からも良いボールが出ていた。あれだけパス能力があるセンターバックって、なかなか揃わないから、そういう意味では良かったし。それから後半も、最後のところでピンチになってシュートは撃たれる、けどブロックしている、あるいは跳ね返しているという場面が多かったから、シュミットのセーブってほとんど無かったような気がする。
２点目は破られちゃったけど、あれ以外の守備はあまり破綻してなかったと思う」
後藤「あとシュミットがフリーを止めた場面があったね」
大住「あったね。あの時はフリーになっちゃってたか」
後藤「あれは完全にフリーだった。だから、本当に抜かれちゃったのは２回だね」
大住「そうだね。ちょっとあの時はチームがどうしようもない感じになっていたから」
