■J1昇格の可能性を失った昇格候補
今シーズン5度目の5連戦の5試合目が終了し、J2リーグは残り8試合となった。11月15日に開催された34節の結果を受けて、全22チームのうち14位以下の9チームがJ1昇格の可能性を数字の上でも失った。
そのなかには、昨シーズンはJ1の一員だった松本山雅FC、J1での経験も豊富な尹晶煥監督が就任したジェフユナイテッド千葉、それに昨シーズン3位の大宮アルディージャが含まれている。いずれも、シーズン開幕前は昇格候補にあげられていたチームだ。
大宮は6月末の再開後に3連勝を飾り、2月末の開幕節を含めて4連勝の好発進を切った。8月12日のジュビロ磐田戦までは6勝2分2敗と白星を先行させていたが、翌節から4連敗を喫してしまう。その後は中位が定位置となってしまった。
想定外の低迷の主因は、ケガ人の続出である。公式に発表されているだけでも、つねに10人以上の選手が戦線離脱していた。27節のファジアーノ岡山戦、28節の松本戦、29節のV・ファーレン長崎戦では、最大7人のベンチ入りのメンバーを揃えることも叶わなかった。
メンバーを揃えることにも苦慮するなかで、得点力不足に苦しんだ。ここまで32得点は、リーグ4位タイの少なさだ。
新外国籍選手のネルミン・ハスキッチは、PKによる1得点にとどまっている。18-19シーズンのセルビアリーグ得点王は、J1昇格を目ざすチームの助けにはなれなかった。8月末に横浜FCから補強したイバも、13試合出場でわずか1点しかマークしていない。ここ6試合はベンチ入りのメンバーからも外れており、彼も戦線離脱していると考えられる。
高木琢也監督は今節を前にしたウェブ取材で、「上位でも中位でも下位でも、まずは目の前の相手に勝つことを前提に戦っている」と話し、順位に関係なく最後まで戦い抜く姿勢を強調した。
11月29日の37節で福岡と、12月16日の41節では徳島ヴォルティスと、それぞれアウェイで対戦する。J1昇格争いを演じている上位チームとの対戦は、大宮にとってプライドを賭けた戦いとなるだろう。