■前半劣勢でも勝ちパターンに持ち込んだ福岡
徳島、福岡、長崎によるJ1昇格争いには動きがあった。
徳島はアウェイでモンテディオ山形を退けた。28分に小西雄大が得点をあげ、そのまま1対0で逃げ切っている。攻守のバランスに優れる山形の挑戦を退けた徳島は、今シーズン初の5連勝で7戦負けなしだ。勝点も「71」としている。
過去5シーズンのJ2リーグを振り返ると、34節終了時点で勝点「70」以上を記録したのは15年の大宮(勝点74)、16年の北海道コンサドーレ札幌(勝点74)、17年の湘南ベルマーレ(71)の3チームだ。いずれも首位を譲ることなく、J1昇格を勝ち取っている。13年以来2度目となる国内最高峰のステージへ、リカルド・ロドリゲス監督のチームは着実に近づいている。
2位の福岡は”勝利の方程式”で勝点3をつかんだ。
アウェイのレノファ山口戦は0対0のまま試合が進むが、74分に増山朝陽が先制点をゲットする。80分以降はCBを増やして5バックに変更する得意のパターンへ持ち込み、今シーズン12度目のウノゼロで勝点3をつかんだ。
決勝点をあげた増山は「前半は自分たちのやりたいサッカーをさせてもらえなかった。悪い流れだったのでホントに今日は勝てて良かった」と、試合後に安堵の表情を浮かべた。長谷部茂利監督も「前半はほとんど山口さんのペースで、自分たちのやりたいサッカーがほとんできなかった」と振り返っている。
最下位の山口を相手に、苦しむ時間帯があった。それでも勝点3を取り切ったところに、今シーズンの福岡の強さがある。前半途中で石津大介が負傷交代するアクシデントも、チーム全体でカバーした。決勝点をあげた増山は、石津に代わって出場した選手だったのだ。