前半、川崎フロンターレの攻撃はいつものように上手くいっていたわけではなかった。
序盤は三笘薫の突破と登里享平のセンタリングで、中盤はジェジエウの持ち上がりから田中碧や山根視来のミドルシュート。家長昭博と中村憲剛の存在感が無く、上手くいかないならばこういうことをやってみるしかない、という攻撃をしているその様子を見ていると、名古屋グランパスのダブルの予感はあった。
しかし、今の川崎はそれでも負けなかった。前半の最後になってセットプレーから三笘がゴール。セットプレーからでも結局三笘が決めてしまった。
後半になると、やはりセットプレーからジェジエウが2発。3点全てがセットプレーから生まれ、3-0でリーグ新記録となる11連勝を達成した。
上手くいかない時間帯があっても、焦ることなくその状況でできることを順に試していけるのは、守備をしっかりこなせているからこそだ。最終ラインと田中、そして守田英正が、強引に突破を試みてくる名古屋攻撃陣に体を張って対応するだけでなく、三笘らもそこに参加して好きにさせない。そうやってボールを取り戻せるから、試行錯誤を繰り返して得点に少しずつ近づける。