■チームの雰囲気のよさも、川崎フロンターレの魅力
川崎はチーム全体が激しいチーム内競争があるにもかかわらず、誰もが自分の結果より勝利のために動いている。1つの集団として全員が完全にそう一致するのは簡単なことではない。後半、名古屋のマテウスは1人でどうにかしようとしてなかなかボールを離さず、強引なシュートを外し、ブレーキになってしまっていた。一方、レアンドロ・ダミアンは自分が絶対にゴールが欲しいはずなのに、スッキリした笑顔で仲間のゴールを祝福していた。首位で雰囲気が良い、それだけではないはずだ。
腐らない選手、良い雰囲気を作ってくれる選手、というのが多いのは川崎の特徴だ。
鬼木達監督のマネジメントはもちろんだが、クラブが長年かけてチームカラーにしてきたユニークな企画達もそれに一役買っているだろう。この日はハロウィン企画で、コスプレ姿の選手達が画面で紹介された。三笘が鬼太郎、ダミアンはマリオでジェジエウはワリオ……。観客が楽しむだけでなく、そうやって同じ方を向く1つの集団としてまとまっていく。
これで今シーズンの川崎が勝っていない相手は、開幕戦でスコアレスドローに終わったサガン鳥栖だけだ。12月12日に戦うことになっているが、その時には既に史上最速で優勝を決めていることだろう。