■「変わらずにチャレンジャー精神で挑む」

──19節では両サイドバックが揃って得点しました。

「ものすごく嬉しいです(笑)。野口航が決めた2点目は技ありのヘディングで、FWでもなかなかできませんよ。ヘディングのテクニックは日本人に乏しくて、同サイドに力で叩いてGKに防がれてしまうことがあるけれど、あのシュートはしっかりボールを呼び込んで逆サイドへ落とした。なかなか練習でもできないし、ああいうプレーをサイドバックの選手がやるのは……。

 一番外のスペースを両サイドバックが突くのは狙いとしていますが、相手にパスを引っかけられたらトップギアで自陣へ戻らなければいけない。そういう地味なことを繰り返しているなかで得点へ結びつけてくれたのは、すごく嬉しいですね」

──最後に、シーズン後半戦への思いをお聞かせください。

「これまでと変わらずにチャレンジャー精神で挑む、それがすべてです。それをしないと厳しくなります。目の前のチームを倒すことに集中していく。順位を気にするのでなく、自分たちが積極的なサッカーをやる。こういう相手に対してこうやって点を取っていくぞ、ということを大事にしたい。我々は1年目のチームです。やっとJ2に返り咲いて今、こういう幸せな順位にいるので、どんどんチャレンジしていく姿勢が大事だと思います」

──前半戦同様のチームの活躍を期待しております。本日はありがとうございました。

 

 

小林伸二(こばやし・しんじ)

1960年8月24日、長崎県出身。1983年~90年、マツダSC(現サンフレッチェ広島)での選手生活を経て、指導者転身。1995年、サンフレッチェ広島ユースを率いてJユースカップ優勝。その後、若手選手の指導力を評価され福岡、大分のサテライト監督を歴任。2001年6月、大分のトップチームの監督に就任すると、翌年J2で優勝し、大分のJ1初昇格に貢献。2004年7月にセレッソ大阪監督に就任。2007年はアビスパ福岡のチーム統括グループ長に就任。2008年、モンテディオ山形の監督に就任し、クラブ史上初のJ1昇格を果たす。2012年、徳島ヴォルティスの監督に就任し翌年、クラブ史上初のJ1昇格を果たす。2016年、清水エスパルスの監督に就任し、1年でのJ1復帰に貢献する。2019年、ギラヴァンツ北九州の監督兼スポーツダイレクターに就任。1年でJ2昇格を成し遂げる。

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