チャレンジャーのメンタリティで挑みつつも、勝利に対してはもちろんどん欲である。ライバルたちの包囲網が厳しさを増すなかで勝ちきるために、小林監督の采配にも変化が見られるかもしれない。これまで4つのチームをJ1へ昇格させてきた熟達の指揮官は、「チームを勝たせる術」を心得ている。
──19節の新潟戦では、終盤に5バックへ変えて逃げ切りました。
「本当はやりたくなかったのですが……(笑)。スタッフと“今日のメンバーだと新潟に比べて小粒だなあ、相手は交代選手を出して来たら高さが出てくるなあ”と話していました。後ろを5枚にするなら加藤弘堅をボランチから落とすしかない、加藤を落として川上(竜)を入れる采配は考えていました。5バックは去年のJ3で何回かやったことがあるのですが、あの新潟戦では私もヘッドコーチも“やるか”となりました」
──シーズン序盤よりも深く細かく研究されるなかで勝利をつかむには、時に割り切った戦いも必要になってくるのでしょうね。
「試合終了間際に敵陣深くのサイドでキープするプレーも、基本的にやっていません。最後まで点を取りに行く姿勢を貫くためですが、去年も今年も状況によってはキープを選びます」
──あくまでもケース・バイ・ケースで。
「勝つのは簡単じゃないですから。キープするなら中途半端ではなく、しっかりやらなければいけない。勝点0になりそうな試合を1にするとか、1で終わらせないで3にするのは、絶対必要になってきます」