川崎フロンターレ「必然だった逆転ゴール」のメカニズム(1)日本人得点王の“贅沢な囮”の画像
先制点を決めるFW小林悠 撮影:中地拓也
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■9月9日 J1第15節 川崎―神戸

 等々力競技場がどよめいた。

 3週連続で戦うこととなった川崎フロンターレとヴィッセル神戸。その3戦目は等々力で行われた。

 8月26日のJ1第24節は2-2で引き分けたものの、9月2日のルヴァンカップ準々決勝では、6-0で川崎が神戸を粉砕。意地を見せたい神戸としては、序盤からプレスを強くかけ、川崎のパスワークを乱そうとした。

 それでも、FW小林悠がPKを決めて8分に川崎が先制。

 しかし、23分、59分と神戸の2トップが点を取り、逆転される。しかも、逆転される直前の56分には、ここまでリーグ戦3得点4アシストのFW旗手怜央が負傷退場するというアクシデントも起きていた。逆転への道のりが険しくなったかと思われたが、現在の川崎は一味違っていた。

 66分にFW宮代大聖とMF脇坂泰斗、76分にレアンドロ・ダミアンと、リードを許したあとに投入された3人全員で、逆転を呼び込んだのだ。まずは83分、相手ペナルティエリア内でレアンドロ・ダミアンが倒されてPKを得ると、自ら決めて同点に。さらに85分には、脇坂のアシストから下部組織出身の宮代が豪快なシュートを決めて見せたのだ。

 特に逆転弾は、圧巻の速攻だった。脇坂が自陣でボールを奪うと、レアンドロ・ダミアンから宮代へとつなぎ、再び脇坂へ。この瞬間、川崎は脇坂、宮代、さらに左サイドから走ってきたFW三笘薫の3人が攻撃に移り、一方の神戸はディフェンダーが2人しかいなかった。

 脇坂が猛然とゴールに向かってドリブルをするのだが、三笘が相手ディフェンダー2人の間に位置していたため、神戸守備陣は脇坂に寄せに行くことができない。

 そして、ペナルティエリアに侵入する直前になって左の三笘と右の宮代、その両方に視線を送りながら、右から走ってくる宮代に優しくパス。宮代は、ゴールに突き刺すだけだった。

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